パレートの法則はロングテール環境を満たす前提条件
[これは訳者によるエントリーです。翻訳ではありません]
ロングテールが終わり、Web 2.0の終わりが始まった〜データに見るはてブ衆愚化〜
はてブはほとんど使っていませんし、衆愚化はどうでもいいとして、この方はロングテールを余り理解していないんではないでしょうか?
パレートの法則はロングテールとぶつかり合うものではありません。むしろロングテール環境が成り立つにはパレートの法則が成り立つような環境であることが前提です。先日発売したChris Andersonの著書The Long Tailにも書いてある通り、パレートの法則(べき乗法則)は以下の三つの条件が成立する環境で成立します;
- 多様性がある(e.g. 膨大な数の商品)
- 質にバラツキがある
- 口コミ、評判などのネットワーク効果が働き、質の違いをアンプリファイ(増幅)させる
現在のはてブに当てはめると;
- 記事の数が多い(10万以上?)
- 記事の質にバラツキがある
- ネットワーク効果が働く(人気記事のブックマーク、特定のブックマーカーがブックマークした記事や、特定のブログの記事の被ブックマーク数が伸びやすい)
とパレートの法則が当てはまるとしておきましょう。少なくても年々利用者数とブックマークされた記事数の増加により近づいていることは間違いないでしょう。
はてブが年々ヘッド化(Beyondさんの言葉で言うと衆愚化)しているというデータは、以前のはてブが上記の条件が満たされていなかったからに過ぎません。Beyondさんが提示した図1のグラフを見ると、2005年2月の記事数は2006年5月の記事数の7分の1程度しかありません。それに昔より今のほうがネットワーク効果が働いているのは容易に想像できます(e.g. Malcom Gladwell著のTipping Pointで言うところのMaven、Connectorとしてのブックマーカー、あるいははてブトップページのランキング)。記事数が多くなれば多くなるほど上位20%の記事のブックマーク数が全体に占める割合は上がるのは当然です。多くの人々は人気のあるもの、あるいは特定のブックマーカーなどのフィルターを頼って行動します。よってパレートの法則が成立しているのです。
この場合、パレートの法則が成立したからと言ってロングテールに反するものでは全くありません。なぜならブックマークされた総記事数が増えているのですから。ここでBeyondさんが見ているのは割合です。下位80%の記事がブックマークされた総数は増えているのは間違いありません。これはロングテール環境度合いが高まっているわけで、ロングテールの終わりではありません。
おそらく現在のはてブへ不満を感じている人達は、一部のエリートからある程度一般に浸透してきて、自分の好みの記事を見つけにくくなっているからではないでしょうか?ここからがロングテールの本質です。数が増えると強力なフィルターが必要になってきます。そしてここからは、はてなの工夫次第です。個人的には、はてなには日本版Techmemeみたいなサイトを作ってもらいたいですが。
ということで、フィルターについてさらに知りたい方はChris AndersonのThe Long Tailを買って下さい。
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