2005年10月 6日 (木)

今回ばかりレコードレーベルは正しいのか?

ipod_adまた邪悪なレコード会社が僕らを騙しているんじゃないかと推測されてしまうかもしれないけど、今回の努力にはアップルがそのone-size-fits-allの価格モデルを手放すことに対してはある程度意味はある。週末にかけて、ニューヨークタイムズ紙は0.99ドルの固定された価格に関してのレーベル側とアップル側の綱引きについての記事を出した。レーベル側はほとんどの音楽をもっと高く売りたいと思っている--一曲1.49ドル?--一方古いか無名のトラックはもっと安くなるかもしれない。

多様な価格を好む理由はたくさんある。初心者にとって、これはほとんどの場合、いろいろな商品や消費者のマーケットを最大化するための最も効率的な方法である。Barry Ritholtzが指摘する通り:

これは経済の原則だ:需要に幅がある商品は価格に対して非常に敏感だ。さらに、簡単に無料で手に入るもの(違法であっても)は価格上昇に対してはさらに大きな反応がある。

アップルは、まだ人々がダウンロードされる音楽にお金を払うことに慣れるまで、単一価格は単純にサービスの初期段階で必要なものだったと言っている。でも5億曲が売れた今では、その適合する段階は終わっている。よって進むべき正しい価格モデルはどのようなものか?

アップルとレーベルの間での論争の大部分は価格を上げる業界の取り組みに費やされてきており、それは間違いなく彼らの計画の大きな部分を占めているだろう。ここでは驚きが無い。本のために僕らが行ってきた調査はオンライン音楽ビジネスの大部分の中--トップ100,000ダウンロード内--で平均的なCD売り上げの3.5トラックしか占めていない。よってレコード会社はトラック単位で音楽が売られた場合のアルバムからは(全体の)利益として3ドル未満しか得ていない。これはCD全体の売り上げの半分未満にしか過ぎない(CDを製造し配給する物理コストを含めない限りだが)。アルバムモデルからトラックモデルは実際レーベルにとっては警告すべきことで、それを見るとなぜ彼らがオンラインの小売価格を上げたいのかが簡単にわかる。

でもそれ以上のものがある。レーベルは邪悪かもしれないが、(全員が)バカなわけではない。彼らは--アーティストについては対して触れないが--また多くの音楽の価格を下げることによる長所もわかっている。何十年間にも渡って、彼らは割引された名作から高価なボックスセットまでCD価格モデルを操作してきており、伝統的な小売店の間接費から解放された今、もっと実験したいのだろう。うるさいコメンテーターの数人はアップルが価格を0.99ドルに保つことについて励ましてきたが、多様な価格を提供することは究極的にはもっと消費者に有益な結果に導くという強力な理由がある。

理由は単純なロングテールの数学だ:ヘッドよりテールには遥かに多くの音楽があり、レーベルは一般的にヒットよりトップ1,000から外れたものに対して割引価格の実験を行いたがっている。それらのニッチはタイトルの数からすると現在手に入るCDのほとんどを占めており、それらは地味な売り上げしか叩きださないので、ヒットだけを置く傾向のあるCD小売店との摩擦を生みにくい。

アップルが三段階の価格を提供しているところを想像してみてくれ。1.49ドル、0.99ドル、0.79ドルだ(街阿木無く0.49ドルへと拡大するが、それより下はクレジットカードのプロセスなどの中間費用が現れ始める)。段階的な価格--金、銀、銅--は未だ消費者が理解するのに簡単で、需要の創出へ価値ある新たな断面を提供してくれる。

例えばRhapsodyは価格を半分の0.49ドルへ下げた時に、需要が三倍になった。そして何でも聴ける(all-you-can-eat)サービスの消費者あたりの平均的な使用量は、iTunesのようなダウンロードあたりに払う音楽サービスの5から10倍だ。それにサービスフリー音楽の潜在力を足してみると、既にアップルが道を敷いたポッドキャストとクリエイティブコモンズの元でライセンスされている音楽に拡張すると、商業音楽サービスのユーザー基盤を何倍にも成長させることができる。

iTunesが多様な価格を容認すれば、レーベルはCDで行っているようなことを行うことが想像できる:年代、人気度、ターゲットされたマーケットによって価格全体の幅を設定することだ。いくつかのレーベルは愚かにも全ての価格を値上げし、結果的には全体の利益を下げることになるだろう。でも賢いレーベルは、ブレイクさせたいバンド、古い音楽のパッケージの値下げ、そして特別なリイシューものやハードコアファンのための再発売で高い価格など、あらゆる種類の価格設定を試すだろう。それは彼らが小売価格が9ドルから18ドルまで広がるCDの世界で既に行っていることだ。

アップルは0.99ドルに価格を保つことで強欲なレコード会社から僕らを守っているのだと考えているかもしれないし、それは実際短期で考えると正しい。でも長いスパンでは、one-size-fits-allの価格は業界の経済を抑制し、市場を抑制することになる。もしアップルが多様な価格を提供すれば、遥かに高価なヒットを上回るたくさんのディスカウントされたニッチ/バックカタログの部門のおかげで平均価格が実際一、二年で崩れることを想像することは難しくない。

価格が自由に上がったり下がったりできる限り、僕は最終的にはマーケットの力が正しいモデルを見いだすと自信がある。そして全員と全曲についてどのモデルも正しくないということを彼らが確信することに関してはより確かに思っている。

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"過不足のない海賊行為"

dorkpirate映画とテレビ業界がBitTorrentに対して心配している主な理由は、彼らは海賊行為による音楽業界の経験でびびっているからだ、ということは目新しいことではない。P2P配信の経済的な利点を認識しているにも関わらず、一旦彼らのものをそこに置いてしまったら、それが三重のDRMで包まれていたとしても、クラックされて保護されていない形で出回る可能性があることを心配している。映画に関して、それは利益の損失だ。テレビ番組にとって、広告が除外されてしまい起源切れの週間が排除され、(おっと!)コンテントが偏向されたりリミックされたりする可能性がある。

その全てが業界の幹部にとってとってもコワイものに数えられ、その結果、彼らのプレミア・コンテントをオンラインで出回らせる前に"強力な"DRMを探している。これは二つの理由から、間違いである:

最初はユーザー体験についてだ:本当にクラックするのが難しいテクノロジー全ては、おそらく消費者に受け入れられるには煩わしすぎる

これらの類いに関して、今までドングルから手間がかかる複雑な登録スキームまであらゆる種類のものがあった。それぞれは市場を作る出すより消費者を苛立たせるほうが得意なんじゃないかと思わせるほどだ。これらの例のレッスンは0%の海賊行為は不可能であるだけではなく、経済的にベストではないということだ。もし君のコンテントがクラックできなければ、おそらくマーケットをきつく絞めすぎて、純粋な消費者でさえ不便と感じることになる。

その代わり、効率的なソフトウェアとエンターテイメント市場は業界は、権利に関してバランスのあるコントロールを持たなければいけないと説得するために、過不足のない海賊行為を公開するべきだ。その数字は0%ではなく(あまりに侵略的な保護方法が必要になるので需要を殺してしまう)、100%でもない(ビジネスを殺してしまう)。その中間だ。

二つ目の理由は海賊行為ゼロへの道筋は経済的に間違っているからだ:海賊行為は実際、価格を上昇させることができる

驚くべき例を披露しよう。僕は元マイクロソフトのマネージャーとある日談笑していて、彼は分析の結果、マイクロソフトは海賊行為が不可避であることだけでなく、実際に経済的には最適になる可能性があることを認識した、ことを暴露してくれた。理由は直感に反しているが、興味をそそる。

通常の価格設定方法は、潜在市場全体を見渡して、経済的に低い末端とトップのいくつかを見て、全体的な収益を最大化させるために価格を頂点と底の中間に設定する。でももし海賊行為に対して底を譲渡すると、価格を頂点と中間の間に設定することができる。結果:一コピーあたりのより高い収益、そして潜在的に全体的な収益もより高い。

(これは通常の発展途上国の世界の海賊行為に対してのアプローチ、海賊バージョン近くに価格を下げ、価格のギャップを縮めることにより正式なバージョンへ消費者を呼び込む方法、とは真逆だ。しかし現実的には、海賊バージョンの価格は低すぎるので、ほとんど違いを生み出すだけ価格のギャップを近づけることはできない。)

これに馴染みのある(しかし意見が分かれる)、海賊行為はテクノロジー市場に種を植える手伝いをしてくれ、結果的に全体では利益が出るという議論を追加してみよう。特に急激に発展している中国やインドのような発展途上国では、どこにでもある違法コピーされたWindowsとOfficeはそれらを国のデファクトスタンダードにしてきた。ほんのわずかなユーザーしか最初はリテール版を買うことはしなかっただろうが、フリーソフトウェアを含む安いテクノロジーの普及により、経済的なブームへと導いてきた。マイクロソフトは商業ソフトウェアに対してトップの位置、大企業や政府機関、などで良いマーケットを見つけている。

これらの効果が考慮に含まれると、海賊行為には最適なレベルがあるようにみえる。その正しいレベルは業界によって異なるかもしれない。今日では、推測される海賊行為の比率はCDに対しては33%DVDに対しては15%だ。業界はそれを高すぎると言うが、彼らがそれを下げるために持ち出してきたアンチ・コピーのテクノロジーは人気がないことを証明した。それをさらに締め付けることがうまくいくのか?おそらくうまくいかないだろう。多分15-30%とは単純にマーケットがそれらの業界にたいして最適な海賊行為の比率だと言っているに過ぎず、それを下げようとするあらゆる努力は需要を消すか、人々をさらにダークサイドに引き込むだけかもしれない。

よってビデオのコンテント保有者とその他DRMを考えている人達へのモラル:君が求めているものに注意せよ、なぜなら手に入るかもしれないからだ。”クラックできない" DRMはユーザーをさらにアンダーグラウンドに走らせたり、価格を下げさせたりしてP2P問題をさらに悪化させるかもしれない。弱いDRM包装(今のDVDのように)でコピーが出回ってマーケット全体が沈没している絵を想像するな。その代わり、海賊行為が比較的低レベルに留まり、残りのマーケットをよりハッピーで利益が上がる状態に残してくれる。

レッスンとしてほとんどの人にとって簡単、便利で苛立たせないコンテント保護へのアプローチを探すことで、それからいくつかの漏れが出るのを受け入れることだ。ほとんどの消費者は、あなたが彼らを潜在的な犯罪者と扱わない限り、品質が保証されている正式なものに対して払う価値を見いだしている。そしてその他リスクを負って海賊版を探す苦労を惜しまないマイノリティーについては?まぁ、彼らは多分君の最高のマーケットではなかったんだよ。

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ニッチはヒットより利益になるか

new8020_2先週僕の新しいグラフを投稿した後、多くの読者が右下のバーについて、伝統的なリテールでは可能でなかったロングテール市場の利益がニッチに対しても収入を上げることができ、それが大きなことだと示している、触れてくれた。でも読者は僕が示したより、その効果と利点を軽く見すぎていると考えている。そして彼らは正しいようだ。

僕は利益の投下がロングテールの重要な利点だと議論してきた。実際の店では、経済はヒットを好む、なぜなら彼らは棚スペースを余りにも効率的に使用し、品物を置いたかと思ったら足早にそれを取り替えるからだ。でも棚スペースのコストがとっても小さいロングテール市場では、ニッチはヒットと同様のコストしかかからず、潜在的には同様の利益幅がある。これはグラフィックにおける最後のバーが、それ以前の収入バーと同じであることを説明している。

でも僕はニッチ・コンテントの所得のコストを小さく見すぎていた。読者は正しかった。ニッチの経済はヒットよりさらに良いものになる。本当にだ。

その理由を探るために、DVDのリテール市場を見てみよう。ここに大体の金銭上のやり取りが掴めるグラフがある(予測値はDVDStationのWilliam Fisherを含む多くのリテールの専門家から得ている):
dvd_economics_1
ここで見られるのは今日のニューリリースの経済は酷いということだ。スタジオ会社はDVDに対して17-19ドルものお金をとり、" big box(大手の)"リテーラー(ウォルマート、BestBuy)は最初の一週間から二週間の間はそれを15-17ドルで売っており、DVD一枚あたり2ドルの損失となる(これは諸経費を除いた額で、実際はもっと大きい)。

一ヶ月かそれぐらいで、DVDの販売価格全体が小売価格より素早く小さくなり、徐々に利益が出るようになる。それでも70%のDVD売り上げは、利益が出る前の発売後二ヶ月に集中している。なんで小売店はニューリリースをそんなに安く売るのか?それは大手リテーラーのためで、少なくても彼らは"負けて勝つ"者になり、人々をより利益幅が良いDVDセクションの他のタイトル、あるいは店内の別の所へと引きつけることにしている。

DVD配給者は売れ残ったニューリリースを回収し、小売店のリスクを軽減することによりこれを後押ししている(でもドリームワークスやピクさーなど、そのコストの大きさを学習してきているところも増え続けている)。

問題は、これは他に売るものがある大手の小売店ではうまくいくが、ブロックバスターのような専門のDVD小売店を含む他の全員へと価格を固定してしまう効果がある。大手の小売店は業界に渡ってニューリリースの利幅を下げており、ヘッドの経済を増々強めていることになる。今年のブロックバスター株が50%下げたことは偶然ではない。

でも、もしニューリリースにそれほど頼っていなかた需要をさらにテールへと下げることができれば、利幅を大幅に改善させることができる。人々は群れで動くので、一晩では変化は起こらないかもしれないが、不可能ではない。これがレコメンデーションやその他のフィルターがロングテール市場でこれほど重要な理由だ。人々をヒットの世界(高い買い取り額)からニッチの世界(低い買い取り額)への旅へ導くことができれば、賢い小売店はリテールの経済を劇的に改善させることができる可能性がある。

(これはNetflixが正に行っていることだ:一部の利用者を苛立たせにも関わらず、ニューリリースをそれほど買わないのは、利幅を保つことを可能にする)

僕はDVDのケースを上げたけど、音楽や本に対しても全く同様で、他のものに対しても当てはまるだろう。収益の大部分はそれでもまだヒットに依存するかもしれないが、ニッチに対する利益は増大している。

このレッスンで懲りた。僕はテールのより大きな収益の状況を反映したグラフを書き直した(数字は説明図のためで;異なる市場でばらつくだろう)。
new8020_3

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